金子証券印刷株式会社
ホーム お問い合わせ

【特例有限会社について】
従来の有限会社は、有限会社法の下にありましたが、会社法(平成17年7月26日法律第86号
)の施行(平成18年5月1日)に伴い有限会社法は廃止され、会社法の規定による株式会社とし
て存続することになりました。「特例有限会社」とは、会社法の施行時に自動的(何らの手続を必
要とせず。)に株式会社の一形態に移行した会社で、商号中に有限会社という文字を用いなければ
ならない会社であり、株式会社等の表示はできない会社(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に
関する法律平成17年7月26日法律第87号 [以下「整備法」という。]の規定による株式会社)
をいいます。なお、“特例有限会社”は、整備法の中で定義されている用語であって“特例有限会
社”の名称を使用する必要はありません。

登記関係について、
登記は職権で変更されます。(整備法第136条)
1.【公告をする方法】:新設→【官報に掲載してする】
2.【発行可能株式数】:「出資1口の金額」 (例)金1000円  
            「資本の総額」 (例)金500 万円
            →(例)500万円÷1000円=【5000株】となる。
3.【発行済株式の総数並びに種類及び数】:→(例)【発行済株式の総数  5000株】
4.出資1口の金額:削除される。アンダーラインが引かれる 金1000円
5.【資本金の額】:施行前の「資本の総額」
6.【株式の譲渡制限に関する規定】:新設 【当会社の株式を譲渡により取得することについて
  当会社の承認を要する。当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては
  当会社が承認したものとみなす。】有限会社に取締役会はありません。登記は「当会社」と
  なりますが株主総会の承認が必要です。
7.【存続期間】:施行前の「存立時期」
8.役員に関する事項、登記記録に関する事項、支店等は施行前と同じです。

定款(会社の憲法)の記載事項:みなし規定(整備法第2条第2項)により定款の変更は原則必要ありません。
旧有限会社の定款       特例有限会社の定款
社員             株主とみなす(整備法第2条第2項)
持分             株主とみなす(整備法第2条第2項)
出資一口           1株とみなす株主とみなす(整備法第2条第2項)
目的             目的とみなす(整備法第5条第1項)
商号             商号とみなす(整備法第5条第1項)
本店の所在地         本店の所在地とみなす(整備法第5条第1項)
資本の総額          記載がないものとみなす(整備法第5条第1項)
出資一口の金額        記載がないものとみなす(整備法第5条第1項)
社員の氏名および住所     記載がないものとみなす(整備法第5条第1項)
各社員の出資の口数      記載がないものとみなす(整備法第5条第1項)
(発行可能株式総数および発行済株式の総数は、資本の総額÷出資一口の金額とする)
(整備法第2条第3項)

旧法は公告方法を定める必要はありませんが特別に記載がある場合
資本減少・法定準備金の減少・合併・会社分割組織変更の公告方法   会社の公告方法とみなす
(整備法第5条第3項)
電子公告ができないときの公告方法      同様の定めとみなす
2つ以上の公告方法             効力を失う(整備法第5条第4項)

定款変更が必要なもの。
議決権の数または議決権を行使する事項、利益の配当、残余財産の分配について持分の種類を分け
て別段の定めがあるときは、種類株式の定めがあるとみなされる(整備法第42条第8項)。また
持分の消却の定めがあるときは会社の株式取得の定めがあるとみなされます。(経過措置を定める
政令第1条)
会社法・整備法の施行(平成18年5月1日)から6か月以内に登記しなければならない。(整備
法第42条第8項)(経過措置を定める政令第1条第2項)

特例有限会社の主なメリット
1.役員の任期に制限を受けない(整備法18条)。会社法の最長10年の適用除外
2.決算公告が不要(整備法28条)。
3.大会社に該当しても会計監査人をおく必要がない(整備法17条第2項)。
デメリット
1.取締役会、会計参与、監査役会、会計監査人又は委員会を設置することは出来ません(整備法
  17条第1項及び第2項)。ただし、機関としての株主総会及び取締役のほか代表取締役また
  は監査役の任意設置はできます。
2.譲渡制限:特例有限会社の株主は、株主間では会社の承認を必要としません。旧有限会社法で
  は、社員以外の者に譲渡する場合には、社員総会の承認を要する(旧有限会社法19条第2項
  )。を踏襲したためです。
3.組織の変更:特例有限会社を存続させる吸収合併、吸収分割は認められていません(整備法第
  37条)。また株式交換、株式移転も認められておりません(整備法38条)。

その他
1.社債の発行
  株式会社(特例有限会社を含む。)に限らず、持分会社(合名・合資、合同〔日本版LLC〕
  )を含むあらゆる会社において社債の発行が可能となりました(会社法676条)。
  少人数私募債は、勧誘数が50名を下回る(49名以下)などを満たせば社債管理者を設置し
  なくてもよい(会社法第702条ただし書、会社法施行規則第169条)。受け取り利息は、
  金銭消費貸借では雑所得となり累進課税の対象ですが、社債の場合は源泉分離課税となり資金
  提供者に節税のメリットもあります。
2.株主の人数制限の撤廃:旧有法(有限会社法第8条第1項)では50人を超えることはできま
  せん。
3.株券の発行
  旧有法では持分について有価証券(権利の移転・行使等に証券が必要なもの。)の発行は禁止
  されていました(旧有法第21条)。
  特例有限会社は、「株券を発行する旨の定め」が移行期にありませんので、定款を変更し(株
  主総会の特別決議:総株主の半数[頭数]以上が出席し、総株主の議決権の4分の3以上の賛成決議
  )(整備法第14条第3項)、登記する必要がありますが、定款変更の効力は株主総会の決議で当然生
  じます。

Copyright(C) 2006 Kaneko Securities Printing Co.,Ltd. All Rights Reserved.

株券印刷  ホーム お問い合わせ